先日初めて当院にお越しいただいた患者さんから
「どうしてお口の写真を撮るのですか?」
とご質問をいただきました。
当院ではお口の中の審査をする際に、レントゲンや視診・顕微鏡検査と一緒に口腔内写真(お口の写真)を撮らせていただいています。
これはお口の状態を記録させていただくために撮影いたします。
視診で文字による記録はとりますが、画像による記録は情報がさらにいっぱい得られます。
またレントゲンでは骨や歯など硬組織は記録できますが、歯や歯肉の色は記録できません。
そんなときに口腔内写真は有効です。
例えば歯周病の治療をする場合に、治療前と治療後の写真を比較することで治療効果がわかります。
メンテナンスに通っていただいている方なら、経年的な変化も観察できるのです。
質問いただいた方は、当初「口腔内写真は撮りたくない」とのことでした。
以前理由がわからないままに撮影して嫌な思いをされたとのことです。
今回は理由をご説明させていただいたところ、快く撮影をお受けいただきました。
撮影時にはミラーを用いたり、唇をひろげたりするので嫌に思われるかたもいらっしゃるかと思います。
そういった場合はぜひお申し出くださいませ。
その上でご説明とご相談をさせていただきますので、もしよろしければ撮影をお願いいたします。
もちろんご本人の許可なく、診療以外の目的で写真を使用することはありませんことを最後に付け加えさせていただきます
歯石は削って取っているのですか?
「歯石を取ってから水がしみるようになった。それは歯を削ったからですか?」という質問を最近患者さまからいただきました。
歯石は細菌とそのエサであるたんぱく質などの集合体であるプラーク(歯垢)が時間の経過とともに変化してできたものです。
当然放置しておけば、歯周病が進行してしまいますので歯石除去が大切なことはほとんどの皆様がご存じのとおりです。
歯石は固く残念ながら歯ブラシでは落とせません。
そこでスケーリングという歯石除去の作業が必要となります。
スケーリングにはスケーラーという器具を使用しますが、これには大きく分けて①手用スケーラー②超音波スケーラー③エアースケーラーの3種類があります。
①の手用スケーラーはそのままで、刃のついた器具を用いて歯石を手で取っていきます。細かな取り扱いが出来る半面、硬かったり、歯石の量が多かったりすると非常に時間が必要であり、力を入れ過ぎると歯をいためてしまう可能性があるために熟練したテクニックも必要です。
②の超音波スケーラーは、1秒間に30000回くらいの振幅をモーターで発生させて歯石をとります。①よりも多量の歯石を早く、また出力調整も容易であるためによく用いられています。またバイオフィルムの破壊もできますので大変重宝しています。
③のエアースケーラーは②とよく似ていますが、圧搾空気を用いて1秒間に6000回程度の振動をもって歯石をとります。②よりもパワーが小さく、その調整も難しいのですが、チップ先端の全周の歯石が除去できますので、複雑な形態の場所の歯石除去に有効です。またペースメーカーご使用の患者さまはこちらを使用します。
上記以外に当院ではEr-Yagレーザーによる歯石除去も行っています。こちらは①~③の中で一番除去効率は悪いのですが、同時に術野の消毒も行えるのが特徴です。
当院ではこのすべての方法を症例のあわせて組み合わせて歯石除去を行っていますが、今回ご質問された患者さま③のエアースケーラーを使用時に、一般にむし歯の治療をする時に歯を削るエアータービンと同じ音がするので、これで歯を削っていると思われたようです。
私どもの説明が足りず、余計なご心配をおかけしてしまいました。
大変申し訳ございません。
私どもは患者さまの豊かな生活のサポーターとして、診療を行っています。
なにか疑問や質問がございましたら、なんなりとおっしゃってくださいませ
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